医療法人仙養会北摂総合病院(木野昌也院長、217床)は、電子カルテシステム、オーダリングシステム、文書管理システム、画像統合システム、グループウェアを柱とするカルテの完全電子化に成功した日本有数のIT先進病院だ。特にグループウェアは、弊社の「コメディクス」を使うことで、全システムの円滑な運用を図っている。
10:1入院基本料を算定する一般病床が203床、ICUが14床、平均在院日数が13.5日という地域の急性期医療を担う同院の職員数は400人に上り、職員間の情報共有や誰がどんな仕事を担当するのかといった勤務状況の管理が難しいという課題を抱えていた。病院情報システム導入でカルテの完全電子化を果たした同院は、トータルでのシステム構築を目指す観点から昨年5月、病院新築・移転の際にコミュニケーションツールとしてグループウェアを導入した。同院情報企画室の金子大記室長は「IT化を考える病院は電子カルテ導入前の準備段階として、また電子カルテ導入済みの場合は情報共有を補完するソリューションとしてグループウェアは最適だ」との認識を示した。
同院は院内IT化を進めるにあたって「部分最適ではなく全体最適」というコンセプトで進めた。そうしたコンセプトのなかで、グループウェア「コメディクス」はもっとも重要な院内コミュニケーションに関するさまざまな役割を担っている。
具体的には、全職員の予定を確認できるスケジュール管理機能、職員間の意思疎通を可能にするWebメール機能、特定多数の院内職員に一律の情報を届ける掲示板機能、オペ室や検査機器の利用予約機能、院内規則など文書を閲覧できる文書管理機能などがあり、院内のいたるところに設置されている端末から職員であればだれでもアクセスできるようになっている。これらの機能を活用した上で、同院では病院情報システムの不具合の相談窓口、意見交換用の掲示板、担当者が毎日更新する病床稼働率などの経営指標の公開―を設けるなど独自の活用方法も編み出している。
金子室長は、「昨年5月の導入以来、順次利用機能を増やしているが機能が多岐にわたるため未だフルスペックでの稼働はしていない。しかし、円滑な病院運営のためにはすでに欠かせないものになっている」と述べる。
金子室長は「IT化を進めるにあたっては、どのような将来像・ビジョンを目指すのかという考え方が重要だ。当院ではグループウェアを機能のひとつとして盛り込んだことで、スムーズな稼働を実現できた」と、ITシステムを補完する病院向けグループウェアの必要性を説明する。こうした考え方によって、同院では職員の負担を軽減させることに成功し、それによって生じたマンパワーの余裕を医療の質の向上に充てている。
入院基本料 一般病棟10対1入院基本料
1日平均外来患者数 400人
平均在院日数 13.5日
病床稼働率 88%
その他 日本医療機能評価機構認定病院、情報管理士3人、MSW6人等
医療法人仙養会 北摂総合病院様 2007年2月掲載