長田2012年7月に私がここに赴任した時に、いままでレポートを紙で管理していましたが電子化したいと考えました。
その後、インシデント管理システムの導入に向け数社でコンペをしました。
運用に即した操作を体験したいと考えていたので数社のデモ機を院内に置き、想定事例を入力していくという形でたくさんの職員に操作してもらいました。その結果ファントルくんの導入となりました。
佐々木システムの選定は本当に細かくやりました。「今日は◯◯の部署来て下さい」のような形で、スタッフや看護師、医師、検査技師に実際に触ってもらい、票を入れてもらって決めました。延べ一週間位かけて、いろいろな方に体験して頂きました。
佐々木見やすさと操作感覚だったと思います。数台並べて操作しましたが、「使いやすさ」、「直感的に操作できる」という点でファントルくんが選ばれました。
長田紙の時には、推敲して提出していたので、書き直しなどの時間などで、上がってくるまで3日〜1週間位かかっていました。ファントルくんに変わってからは即日に一報が来ますので、スピード感が増しているのは体感します。人は時間の経過とともに、記憶がなくなっていきますので、このスピード感は重要だと感じています。
佐々木複数の人へ同報することで、どこかで何かが起こっているということが共有できる事も良い所ですね。
長田医療安全管理者はレポートが出てきたら、自分で現場に確認に行きます。ヒアリングなどをする関係上、このスピードというのは本当に大切に感じます。レポートに「いつヒアリングした」とも記載ができますので、記載内容の質も良くなりました。
長田昨年10月から院内事故調査制度が始まりました。ファントルくんでは「医療に起因した予期せぬ死亡又は死産」の項目を追加できますが、バージョンアップなどで事前に追加される、もしくは情報の発信がされるように改善していただくと嬉しいです。
佐々木事故のレポートが出たら、担当者にメールが送れるといいですね。
夜や朝方など、病院に居ないとき、家から病院のカルテが見られないので、個人情報は無いにしても、30代男性のような形でも把握できると良いですね。
佐々木経営側が、このことを把握することは本当に大切と考えています。
例えば、こういう事件があったから、何人再手術をした、それにともなって費用がこれくらいかかったというところを把握することは経営の観点でも重要だと思います。インシデント、アクシデントが倫理的観点だけでなく、経営の面でも有利になっているという視点です。どの病院もそのような視点を持っていくということは少し先に感じますが、システムとして、可視化できるようになると良いのかもしれません。ぜひとも期待しています。
日本初のがん専門病院として、がん診断と治療の最高の技術を提供し続け、最も先進的ながんの臨床研究を推進している病院。
昭和9年開設。700床。
公益財団法人 がん研究会有明病院様 2016年05月12日掲載