病院向けグループウェア、
インシデント管理システムの販売・開発

コラム一覧

コラム一覧

病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ

みんなの就業Ⅱ

病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ

病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ 「医療DX」「病院DX」と聞いて、まず電子カルテやオンライン資格確認、AI問診といった診療系のシステムを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。 しかし、こうした仕組みを導入しても「二重入力の手間が減らない」「結局Excelでの管理が残っている」という声は少なくありません。その原因は、システムの機能ではなく、病院が持つデータに「時間」という軸が欠けていることにあります。 本コラムでは、勤怠管理(就業管理)を病院DXの切り口として捉え直し、これまで本シリーズでお伝えしてきた内容を振り返りながら、DXの進め方を4つのステップで整理します。 病院DXが「診療系システム」だけでは進まない理由 病院DXというテーマは領域が広く、どうしても診療に直結するシステムから議論が始まります。実際、電子カルテの刷新やオンライン資格確認への対応は、多くの医療機関にとって優先度の高い取り組みです。 ここで一度、病院が持つデータを「誰が」「何をしたか」「いつ、どれだけ働いたか」という枠組みで整理してみます。 誰が:職員情報、所属、雇用形態 → 電子カルテや人事システムがすでに持っている 何をしたか:診療行為や業務の記録 → 電子カルテや部門システムがすでに持っている いつ、どれだけ働いたか:勤務実績や実労働時間 → 紙、Excel、自己申告のまま残っている病院が多い 病院DXが途中で止まる理由のひとつは、「誰が」「何をしたか」は揃っているのに、「いつ、どれだけ働いたか」が欠けている点にあります。診療のデータをどれだけ分析しても、それを担った職員の状況と結びつけることができません。 人員配置は適切だったのか。特定の職員に負担が偏っていないか。その勤務状態が医療の質に影響していないか。こうした問いは、時間軸のデータがなければ検証できないのです。 デジタル化が業務をシステムに置き換えることであるのに対し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が目指すのは、データがつながり、活用できる状態をつくることです。多くの病院にとって、その最後のピースが「時間」なのです。 勤怠管理(就業管理)が病院DXの土台になる3つの理由 では、その時間軸のデータをどこから得るのか。答えのひとつが、勤怠管理を担う就業管理システムです。 ここでいう「土台」とは、すべてのデータの発生源という意味ではありません。すでに病院にある職員情報に「時間」という軸を与え、病院のデータを職員単位で語れるようにするレイヤーのことです。理由を3つに分けて説明します。 1. 全職種・全部署の時間データが毎日集まる 職種も勤務形態も異なる病院において、医師から事務職員まで例外なく全員が毎日発生させるデータが勤怠です。診療に関わる職種が中心となる診療系システムと違い、病院で働くすべての人を毎日カバーします。 2. 新しくマスタを作らず既存の職員情報に時間軸を紐づける 時間軸のデータを整えるうえで障害になるのが、職員情報の二重管理です。一般的な勤怠管理サービスは自前の職員マスタを新たに作ることを前提とするため、採用や人事異動のたびに電子カルテ側と勤怠側の両方を更新しなければならず、現場の負担はむしろ増えてしまいます。 病院向けの就業管理システムに求められるのは、逆の発想です。「誰が」はすでに電子カルテや人事システムにあります。これを活用できれば、二重管理は発生しません。 たとえば当社のみんなの就業ⅱは、電子カルテネットワーク環境上で稼働し、電子カルテの職員情報や看護勤務管理システムの勤務情報、打刻機器などと連携します。職員マスタを新たに作るのではなく、既存の職員情報に勤務実績を紐づける仕組みです。 3. 実績データが周辺システムと経営判断の起点になる 3本目のコラムで整理したとおり、マスタ連携は人事システムや電子カルテを起点に、勤怠データ連携は就業管理システムを起点に設計するのが基本です。 給与システムへ:出退勤や時間外労働の記録を給与計算に反映する 看護勤務管理システムへ:シフト予定と勤務実績の差分を把握する 分析・経営判断へ:人員配置、労務リスク、原価の把握に用いる しかも就業管理システムが持つのは、予定や申告ではなく、実際に誰が何時間働いたかという実績データです。人件費は病院にとって最大の費用であり、人員配置は医療の質にも直結します。だからこそ、法令対応や労務管理にとどまらず、経営判断の材料になり得るのです。 「誰が」を受け取り、「いつ、どれだけ」を加えて、周辺システムへ渡す。この位置にあることが、就業管理システムを土台と呼ぶ理由です。   病院DXの進め方4ステップ|勤怠管理を起点に整える これまで4本にわたって病院の勤怠管理をテーマにお伝えしてきました。それぞれ独立したテーマのようでいて、実は時間軸のデータを整え、広げていくプロセスそのものといえます。   STEP1. 正しく取る|勤怠管理の適正化 2024年4月から医師にも時間外労働の上限規制が適用され、医療機関にはこれまで以上に正確な労働時間の把握が求められるようになりました。宿日直やオンコール、自己研鑽時間といった病院特有の事情をどう扱うかを整理する段階です。データを「正しく取る」ことが、すべての出発点になります。 ▶ 病院の勤怠管理はなぜ複雑? 就業管理システムで解決できる課題とは STEP2. 集約する|就業管理システムの導入 多様な職種と勤務形態に対応したシステムを導入し、分散していた勤務実績を1か所に集約する段階です。ここで業務効率化やコンプライアンス強化といった効果が表れます。製品によって対応範囲が異なるため、選定時の視点が重要になります。 ▶ 病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説 STEP3. つなぐ|周辺システムとの連携 マスタ連携と勤怠データ連携という2つの軸で、どのシステムにどんな役割を持たせるかを設計する段階です。二重入力が解消されると同時に、ここからデータ活用が始まります。 ▶ 病院情報システム部門が知っておきたい「勤怠管理システムの連携設計」 STEP4. 広げる|複数拠点・法人全体の最適化 システムと運用ルールを法人全体で統一し、拠点を越えてデータを活用する段階です。人員配置の最適化や、地域包括ケアを支える基盤づくりにつながります。 ▶ 【医療・介護】複数拠点のシステム連携はどこまでできる? 勤怠管理の課題と解決策 正しく取る、集約する、つなぐ、広げる。これが、勤怠管理を起点にした病院DXの進め方です。 まとめ|病院DXの第一歩は足元の勤怠データから 病院DXは、大規模な投資から始めなければならないものではありません。すでにある職員情報に、全職員が毎日生み出している勤務実績を紐づけること。就業管理は、電子カルテの刷新のような「診療を止めるリスク」を伴わずに着手でき、削減できた時間や経費という形で効果を測りやすい領域です。 何から始めるべきか迷われているのであれば、まずは足元のデータを見直すことをおすすめします。 みんなの就業ⅱを提供するメディシステムソリューションは、導入環境や目的に合わせて、運用までをサポートいたします。病院DXの進め方や勤怠管理の見直しを検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

2026年9月1日

【医療・介護】複数拠点のシステム連携はどこまでできる? 勤怠管理の課題と解決策

みんなの就業Ⅱ

【医療・介護】複数拠点のシステム連携はどこまでできる? 勤怠管理の課題と解決策

【医療・介護】複数拠点のシステム連携はどこまでできる? 勤怠管理の課題と解決策   働き方改革や人手不足の影響で、医療・介護業界の勤怠管理は複雑化しています。特に病院併設型の施設(介護老人保健施設や介護医療院など)では、「法人全体の状況を把握できない」「施設によってシステムがばらばら」といった課題が少なくありません。 こうした課題の解決策として注目されるのが、勤怠管理を軸としたシステム連携です。シフト管理や給与計算などとの連携により、法人全体でシームレスな勤怠管理や情報共有が可能になり、さらには「地域包括ケア」を支える基盤も整えられます。 本記事では、医療・介護の勤怠管理システムはどこまで連携できるのか、複数拠点で起こりやすい課題、システム連携による効果をわかりやすく解説します。 医療・介護の勤怠管理システムはどこまで連携できる?   医療・介護業界の勤怠管理システムは、単に「出退勤を記録するだけ」のシステムではありません。近年では、電子カルテや給与システムなどと連携し、法人全体の情報基盤として活用されるケースが増えています。 たとえば、打刻システムや給与システムと連携すると、ICカードで取得した打刻データを職員データと紐づけ、給与を自動計算することが可能です。電子カルテの稼働状況と比較することで、より実態に即した労働時間も把握できます。システムの設計次第では、法人全体での横断的なデータ活用や、人員配置・労務管理の最適化なども実現できるでしょう。   医療・介護の複数拠点でありがちな勤怠管理の課題   2019年から順次施行された働き方改革により、医療・介護業界でも厳正な勤怠管理が求められるようになりました。近年ではデジタル化も進んでいますが、法人全体でシステム連携が図れていない場合、かえって現場の負担が増えてしまうこともあります。 実際にどのような弊害が起こりやすいのか、代表的な課題を見ていきましょう。働き方改革について知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。   病院の勤怠管理はなぜ複雑?就業管理システムで解決できる課題とは【働き方改革で何が変わった?】   同一法人内でもシステムやルールが統一されていない 施設によって導入しているシステムが変わると、拠点ごとに勤怠データを集計する必要があります。特に紙・Excel・システムでの管理が混在する場合は、転記ミスや入力漏れも発生しがちです。 また、打刻方法などの運用ルールが統一されていないと、勤怠データの形式や集計基準に差が生じることもあります。管理部門の負担やミスを減らすためにも、勤怠管理システムや運用ルールを統一し、法人全体で情報共有しやすい環境を整えることが重要です。   多様な勤務形態への対応が難しい 医療・介護業界では、夜勤・宿直・オンコールなどの勤務形態が発生します。また、職種によって勤務時間やシフトのルールが異なるケースも多いため、一般的な勤怠管理では対応しきれない場合があります。 特に、複数の施設をまたぐ兼務が発生する場合は、労働時間の集計が複雑になりがちです。法人全体で一元管理できるシステムがないと、実態に即した労働時間の把握や、時間外労働(残業や自己研鑽時間など)の適正な管理が難しくなるでしょう。   ITリテラシーの差でデジタル化が進まない スタッフ間にITリテラシーの差があると、デジタル化が一部の施設や業務に留まり、法人全体として業務効率化が進まないこともあります。特にシステムの操作に不慣れな現場では、従来の管理方法(紙やExcelなど)から完全に脱却できないケースもあるでしょう。 また、入力方法などの運用ルールが定着していない場合は、システムを導入しても転記などの手作業が残り、二重管理の状態になることもあります。デジタル化のメリットを最大化するには、現場のレベルに合った使いやすいシステムを選ぶことが重要です。 勤怠管理システムの選び方については、以下の記事も参考にしてください。 病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説   医療・介護の複数拠点で勤怠管理システムを連携するメリット   電子カルテや給与システムをはじめ、勤怠管理システムはさまざまな周辺システムとの連携が可能です。ただし、現場に定着させて業務効率化を図るためには、経営層や担当者が連携のメリットを理解し、運用ルールを整備することが必要です。   ここでは、複数拠点で勤怠管理システムを連携するメリットを解説します。システム設計の考え方については、以下の記事を参考にしてください。   病院情報システム部門が知っておきたい「勤怠管理システムの連携設計」   1. 横断的な情報共有と経営判断ができる 法人内の勤怠管理システムを統一し、診療記録などの業務データと連携すると、各施設の状況(稼働人数や負荷の偏りなど)が同じ基準で可視化されます。取得したデータはリアルタイムに共有できるため、実態に即した人員配置や経営判断が可能になるでしょう。 たとえば、勤怠管理システムと電子カルテを連携すると、「打刻データと実際の診療時間がどれくらい乖離しているか」や「十分な休憩を取れているか」などを把握できます。このようなデータの可視化は、労働時間管理の適正化や法令順守の観点からも重要です。   2.ミスの削減と業務効率化 勤怠管理システムのデータを活用すると、給与計算を自動化することも可能です。たとえば、給与システムに職員データや労働時間を自動取得すれば、拠点ごとに手作業で転記・集計をする必要がありません。 また、勤怠管理の周辺システムを連携することで、給与計算や締め処理のルールを法人全体で統一しやすくなります。オンコールなどの複雑な勤務形態や多様な職種、自己研鑽時間の管理に対応したシステムもあるので、集計基準のばらつきや計算ミスを防ぐ効果も期待できます。   3.インシデント管理や労務リスク対策を強化できる 複数拠点の稼働状況をデータ化すると、現場のインシデントや労務リスクの早期発見につながります。どのような事態を察知できるのか、例を見てみましょう。 ・電子カルテとの連携で、夜勤やオンコールが続いているスタッフを特定する ・健康診断データと勤怠データを組み合わせて、健康状態と勤務実態の関連性を分析する ・転倒や誤薬などのインシデント発生状況を、時間帯や稼働人数別に分析する このように勤怠データや業務記録、職員データなどを組み合わせると、通常では見えにくいリスクの兆候を可視化できます。 医療安全を目指している場合は、弊社のインシデント管理システム「ファントルくん」の活用もおすすめです。ファントルくんは、電子メールのような感覚で報告書を作成できるツールで、わずか数秒でのデータ集計やクロス集計(統計分析)に対応しています。 さまざまな医療機関での導入実績がありますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。 インシデント管理システム「ファントルくん」   4.人材育成の高度化とコスト削減 職員情報とeラーニングシステムを連携すると、「どの職員がどの研修を受講しているか」や「予定通りに進んでいるか」などを拠点ごとに可視化できます。そのデータを活用すれば、研修内容や教育体制を調整しやすくなるため、法人全体で人材育成の最適化を目指せます。 たとえば、弊社が提供する「Baritess(バリテス)」は、全体・部署単位の受講率を把握できるeラーニングシステムです。職員マスタとの連携により、集合研修の管理から未受講者のフォローまでを一元管理できます。 お使いの電子カルテネットワーク上で利用できるため、職員の自己研鑽を促すことにもつながります。デモサイトをご用意しておりますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください。 病院のためのeラーニングシステム「Baritess」 製品概要   医療・介護のシステム連携は「地域包括ケア」を支える土台になる   地域包括ケアとは、医療や介護を必要とする人々の生活圏内でサービスを提供することです。高齢化が進む日本では重要性が高い仕組みであることから、厚生労働省や各自治体は関係機関への支援を行っています。 引用:厚生労働省「介護保険における在宅医療・介護連携の推進について」   地域包括ケアを実現するためには、地域全体でのデータ連携が欠かせません。たとえば、それぞれの病院や介護施設が電子カルテを導入し、患者の情報をスムーズに共有するといった仕組みが必要です。 また、現場を支える人員配置や労務管理の最適化も必要になるでしょう。このような意味で、勤怠管理システムと周辺システムの連携は、地域包括ケアを実現するための土台になります。   複数拠点のシステム連携に取り組んだ事例   医療・介護業界でシステムを連携すると、どのような経営体制を築けるでしょうか。ここでは、複数拠点でのシステム連携に取り組んだ事例を紹介します。   事例1. 大学と病院に勤怠管理システムを導入し、医師の健康施策に活用 隣接する大学で運用していた勤怠管理システムを、大学病院にも導入した事例です。介護施設は含まれませんが、全職員を対象に「ICカードによる打刻」と「システム上での休暇申請」を実現しました。 健康施策にもシステムを活用しており、各職員の打刻データからは勤務間インターバル時間を把握。時間外労働が一定を超える医師には、産業医面談を実施するなどの取り組みも進めています。 参考:厚生労働省 「令和2年度 医師等医療従事者の勤務環境改善の推進にかかるICT機器等の有効活用に関する調査・研究」   事例2.タブレットを使った情報共有で、シームレスな地域包括ケアを実現 シームレスな地域包括ケアを提供するために、情報共有システムを導入した事例です。タブレット端末やパソコンから操作できる仕様とすることで、関係職種同士のリアルタイムな情報共有を実現しました。 本格稼働の前には、約2年間の検証で得たデータを活用し、確認事項などの「多職種連携ルール」を作成。結果としてチーム全体の一体感が強まり、サービスの質を向上させています。 電子カルテを活用すれば、同一法人内の複数拠点でも同様の仕組みを構築できます。勤怠管理システムとの連携により、各職員の労働時間や人員配置まで一元管理するようなシステムも考えられるでしょう。 参考:厚生労働省「平成27年度厚生労働省委託事業 地域における医療・介護の連携強化に関する調査研究」 複数の医療拠点で勤怠管理システムを連携したい場合は、弊社の「みんなの就業ⅱ」がおすすめです。みんなの就業ⅱは、病院に特化した就業管理システムで、看護師や薬剤師などの多種多様な勤務形態に対応しています。 給与システムや看護勤務管理システム、主要メーカーの電子カルテとも連携でき、既存のサーバーを活用できるオンプレミス型なので、複数拠点のDXを効率的に進められます。運用体制が整うまで責任をもってサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。 病院就業管理システム「みんなの就業ⅱ」 製品概要 | メディシステムソリューション   システム連携で安定した経営基盤を実現しよう   勤怠管理システムと周辺システムを連携すると、データのリアルタイム共有や自動取得により、さまざまな業務を効率化できます。紙ベースやExcelでの管理から脱却できるため、ミスやトラブルを防ぐことにもつながります。 安定した経営基盤を築き、地域包括ケアの一翼を目指すうえで、複数拠点でのシステム連携は欠かせません。システムの設計で悩んでいる場合は、運用面までサポートしているメディシステムソリューションにぜひご相談ください。   ▶ 病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ

2026年5月18日

病院情報システム部門が知っておきたい「勤怠管理システムの連携設計」

みんなの就業Ⅱ

病院情報システム部門が知っておきたい「勤怠管理システムの連携設計」

病院情報システム部門が知っておきたい「勤怠管理システムの連携設計」   医療現場においてもデジタル化は進んでいますが、形だけのDX化・IoT化にしないためには、各種システムの連携が必要です。実際に勤怠管理システムや電子カルテなどを導入したものの、「二重入力の手間が増えた」「運用・管理コストが気になる」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。   システム全体の設計を考える際には、それぞれのシステムが解決できる課題を理解し、役割を明確にすることが重要です。本記事では、勤怠管理システムを軸にした連携のポイントや、実際に解決できる課題をわかりやすく解説します。   病院の勤怠管理システムはどう連携すべきか?   勤怠管理システム(就業管理システム)の連携は、業務面の課題を整理したうえで、「どのシステムにどんな役割を持たせるか」を軸に設計することが基本です。わかりやすく考えるために、まずはデータの起点になるシステムを明確にして、以下の連携パターンに分けてみましょう。   パターン① マスタ連携(組織情報の連携) 人事管理システムを起点に、職員情報や雇用形態を勤怠管理システムなどへ連携。   パターン② 勤怠データ連携(打刻情報などの連携) 勤怠管理システムを起点に、打刻データや勤務実績を給与システムなどへ連携。   ▲マスタ連携と勤怠データ連携のイメージ図。 起点のシステムが明確になると、二重入力やデータ重複などを防ぎやすくなります。   勤怠管理システムは、マスタデータ・勤怠データの両方の連携に欠かせないシステムです。中核の役割を担うため、「実運用に耐えられるか」という視点で導入するシステム(製品)を選びましょう。 ・宿直や当直など、特殊な勤務形態に対応しているか ・勉強会などの自己研鑽時間と労働時間を切り分けられるか ・打刻データと実際の勤務時間を正確に管理できるか   勤怠管理システムの導入効果については、以下の記事も参考にしてください。   病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説   勤怠管理システムの連携で解決できる課題   勤怠管理システムと周辺システムを連携すると、以下の導入効果が期待できます。   正確な労働時間を把握しやすくなる 二重入力などの手間を減らせる 申請・承認業務が効率化する 人材配置の最適化を進められる   よくある課題をどのように解決できるのか、詳しく見ていきましょう。   1.正確な労働時間を把握しやすくなる   勤怠管理システムには、病院特有の勤務形態(夜勤やオンコールなど)に対応した製品もあります。このような製品と、打刻システムや電子カルテなどを連携させれば、実態に即した労働時間を把握することが可能です。   厚生労働省の事例集でも、タイムレコーダーと勤怠管理システムの連携により、実際の出退勤時間を自動で記録する取り組みが紹介されています。正確な労働時間の把握は、人件費の適正化だけでなく、歩合給や時間外手当の公平性を保つうえでも重要です。   参考:厚生労働省「令和4年度 勤務環境改善に向けた好事例集」   2.二重入力などの手間を減らせる   システム間でデータを連携すると、一度入力した情報が別のシステムにも反映されます。データを修正・更新した場合もリアルタイムで反映されるため、同じ内容を複数回入力する必要がありません。   たとえば、打刻システムと勤怠管理システムを連携すれば、職員の氏名やID、実労働時間などが両システムに自動記録されます。入力作業自体を省けるため、転記ミスなどのヒューマンエラーも防げるでしょう。   実際に大阪府の病院では、スマートタグを携帯した職員が特定エリアを通過すると、自動的に滞在時間が記録されるシステムを導入しています。   参考:厚生労働省「令和4年度 勤務環境改善に向けた好事例集」   3.申請・承認業務が効率化する   有給申請やシフト変更などの申請業務が多い医療機関では、承認漏れなどのトラブルが発生することもあるでしょう。こうした課題は、勤怠管理システムをワークフローに活用することで解消できます。   たとえば、看護勤務管理システムと連携させれば、各職員が入力した申請データを勤怠管理システムで確認し、管理者がそのまま承認することも可能です。さらに、スマートフォンから申請・承認できる環境を整えると、多忙な職員でもスムーズに手続きを行えます。   4.人材配置の最適化を進められる   システム連携で業務効率化を図ると、医師・看護師・事務員などの負担を減らせます。設計次第では、リアルタイムの勤務実績や配置状況も可視化できるため、データに基づいた人材配置の最適化を進められます。   現場業務に追われやすい病院では、秘書や医師事務作業補助者を配置するケースが珍しくありません。システムに蓄積したデータは、こうした人材を配置・増員する際にも活用できます。   勤怠管理システムと連携できるシステムの例   勤怠管理システムを中核とする場合は、どのようなシステム連携が考えられるでしょうか。ここでは、連携できる代表的なシステムと、実際の活用イメージを紹介します。   電子カルテとの連携 電子カルテに記録されるデータは、実労働時間の把握以外にも活用できます。実際の活用イメージは、以下のとおりです。   勤怠管理システムと電子カルテの連携イメージ ・電子カルテのログイン情報から、実態に即した労働時間を把握する ・電子カルテの診療時間と打刻データなどを比較し、労働時間の傾向を分析する ・両システムで同じIDを使用し、現場や事務担当者の負担を減らす ・採用情報や人事異動を含めた職員データをシステム間で連携する   職員IDなどを連携すると、マスタデータの形式が統一されるため、別システムとの連携(データの紐づけ)も容易になります。   給与システムとの連携 勤怠管理システムと給与システムを連携すると、出退勤データの管理から給与計算までを自動化できます。システムの組み合わせ次第では、複雑な勤務体系・給与体系への対応も可能です。   勤怠管理システムと給与システムの連携イメージ ・打刻データ(出退勤時間や残業時間など)を給与計算に自動で反映する ・シフト変更をすぐに反映し、給与・手当を再計算する ・マスタデータに基づき、各職員の社会保険料などを自動計算する   ただし、細かい給与計算まで自動化するには、病院特有の勤務形態・給与体系に対応したシステムが求められます。合わせて、形式を統一したマスタデータや、運用ルールの整備も必要になるので注意してください。   打刻(入退室管理)システムとの連携 特に緊急外来の対応もある病院では、打刻データと実労働時間が乖離することもあります。自己研鑽時間なども含めると、一般企業より労働時間の把握が難しい傾向にありますが、以下のようなシステム連携で精度を高められます。   勤怠管理システムと打刻(入退室管理)システムの連携イメージ ・ICカードや顔認証で打刻し、勤怠管理システムに自動で記録する ・特定エリアの入退室記録をもとに、出退勤時刻を自動で記録する ・医師のシフトと打刻データを連携し、出勤予定と労働実績の差分を可視化する   2024年から始まった「医師の働き方改革」の影響で、以前より厳正な勤怠管理が求められるようになりました。労務監査対策を万全にするためにも、実態に即した客観的なデータを記録することは重要です。   医師の働き方改革については、以下の記事も参考にしてください。   病院の勤怠管理はなぜ複雑?就業管理システムで解決できる課題とは【働き方改革で何が変わった?】   看護勤務管理システムとの連携 医療分野に特化した勤怠管理システムは、看護勤務管理システムとの連携も可能です。所属ごとの勤務体系を設定することで、宿直や当直、2交代制、3交代制などにも対応できます。   勤怠管理システムと看護勤務管理システムの連携イメージ ・看護師のシフト表を、勤怠管理システムに取り込んで一元管理する ・さらに給与システムと連携し、看護師の給与計算も自動化する ・休暇や休息のルールをシフトに適用し、法令違反を防止する   システムの設計次第では、異動歴や研修歴などを含めた職員データも一元管理できます。   医療機関に特化したシステムをお探しの方には、弊社の病院就業管理システム「みんなの就業ⅱ」がおすすめです。みんなの就業ⅱは、看護師や薬剤師を含めた多種多様な勤務体系に対応しています。   主要メーカーの電子カルテや給与システム、看護勤務管理システムとの連携も可能で、「病院全体のシステム化」や「古いシステムからの脱却」もお手伝いしています。運用体制が整うまで責任をもってサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。   病院就業管理システム「みんなの就業ⅱ」 製品概要 | メディシステムソリューション   勤怠管理システムの連携で「本来のDX」を進めよう   勤怠管理システムと周辺システムをうまく連携すると、業務効率化につながる本来のDXを進められます。各システムの役割を明確にすれば、二重入力やデータ重複なども防げるため、現場や事務担当者の負担を減らせます。   ただし、実際のシステム連携では設計に加え、運用ルールの整備も必要です。みんなの就業ⅱを提供するメディシステムソリューションは、導入環境に合ったシステムの運用までサポートしているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。   ▶ 病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ  

2026年4月15日

病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説

みんなの就業Ⅱ

病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説

病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説   2024年から始まった「医師の働き方改革」により、多くの医療機関が勤怠管理を見直しています。令和に入ってからシステムを導入した病院も、老朽化や耐用年数などの問題で、システムの刷新が求められる時期でしょう。 最近では勤怠管理システムも進歩し、さまざまな職種や勤務形態に対応できるようになりました。ただし、製品によって仕様は異なるため、実際の導入効果をイメージしたうえで、目的に合ったシステムを選ぶことが重要です。 本記事では、病院向け勤怠管理システムを導入するメリットや導入効果、選び方のポイントをわかりやすく解説します。   ■病院向け勤怠管理システムのメリット5つ   働き方改革の影響で、医療機関にはこれまで以上に厳密な労務管理が求められています。さまざまな職種や複雑な勤務体系への対応、労働実態の把握、属人化を防ぐためのシステム導入など、課題を挙げればキリがありません。 これらの課題をまとめて解決するものが、病院向けの勤怠管理システムです。実際にどのような導入メリットがあるのか、一つずつ確認していきましょう。   ●1.正確な労働時間を把握できる 医療従事者の中でも医師は、急な患者対応や自己研鑽時間が発生しやすい職種です。忙しさの影響もあり、打刻時間と実際の労働時間が乖離しやすい状況でしたが、近年のシステムでは労働実態に即した勤怠管理が可能になりました。 たとえば、プラットフォーム上で「業務時間変更申請」や「休暇申請」ができるシステムでは、医師の代わりに医療秘書が労働時間を入力できます。システムによっては電子カルテと打刻機器を連携できるため、客観的なデータ(実際の診療時間など)に基づいた勤怠管理も可能です。 ●2.職種ごとの勤怠管理が可能 導入するシステムによっては、医師や看護師、薬剤師、技師、事務職などの勤怠管理を一元化できます。医療業界特有の就業スタイルに対応しているため、職種ごとにシステムを使い分ける必要がありません。 勤怠管理をひとつのシステムに統合すると、運用コストや刷新コストを削減できるほか、勤怠管理で発生しがちなミスも減らせます。フォーマットが異なるデータを扱うことがないため、手作業での転記や確認作業をする必要がありません。   ●3.複雑な宿日直やオンコールなども管理できる 病院向けの勤怠管理システムは、基本的に宿日直やオンコール(緊急の呼び出し)といった複雑な勤務形態にも対応しています。交替勤務や非常勤、変形労働時間制などに対応したシステムが多いため、打刻データと労働実態が大きく乖離することを防げます。 打刻方法についても、タイムレコーダーや電子カルテとの連携、パソコンでの入力といった選択肢があるので、それぞれの勤務スタイルに合った方法を選ぶことが可能です。   ●4.現場の業務効率化につながる 勤怠管理システムは、単に正確な労働時間を記録するものではありません。給与や割増賃金の計算、休暇申請、シフト調整なども一元化できるため、病院全体の業務効率化につなげられます。 これまでの労働実態をもとにシフトを最適化すれば、人材の再配置によるコスト削減や業務効率化も実現できるでしょう。「看護勤務管理システムの勤務表を取り込む」「複数のフォーマットに対応」といった製品を選ぶことで、既存システムとのスムーズな統合も可能になります。   ●5.コンプライアンスを強化できる 導入するシステムによっては、法令や独自のルールに合わせて警告アラートを出すことも可能です。どのようにアラートを出せるのか、以下ではわかりやすい例をまとめました。  ・時間外労働の上限規制に近づいているスタッフを一覧表示する  ・有給取得日数が5日未満のスタッフを、警告色(赤など)で表示する  ・健康確保措置(面接指導や休息など)の必要性が生じたら、そのスタッフを警告色で表示する 2024年から始まった医師の働き方改革により、医療機関には客観的な勤怠管理が求められるようになりました。地域から信用され、安全な医療を提供し続けるためにも、コンプライアンスの強化は欠かせません。 医師の働き方改革については以下の記事でも解説しているので、不安を抱えている医療機関はぜひ参考にしてください。 病院の勤怠管理はなぜ複雑?就業管理システムで解決できる課題とは【働き方改革で何が変わった?】   ■【事例つき】勤怠管理システムの導入効果   勤怠管理システムには副次的な効果もあり、就労環境の改善によって現場の負担を減らせる可能性があります。どのような導入効果が期待できるのか、以下では厚生労働省が公表する事例とあわせてご紹介します。   ●時間外勤務・残業の抑制 勤怠管理システムで正確な労働時間を記録し、前述のアラート機能などを活用すると、以下のような仕組みで時間外労働・残業を減らせます。  ・時間外労働の上限規制に近づいたら(アラートが出たら)、シフトを調整する  ・シフトをグラフなどで可視化し、勤務時間の偏りを調整する  ・業務効率化で手が空いた人材を再配置し、忙しい現場の休暇を増やす 時間外労働・残業が減ると、多忙な医師やスタッフの負担が減るため、医療の質が上がる効果も期待できるでしょう。以下の事例では、新しい当直体制の整備と勤怠管理システムにより、当直明けの残業時間をピーク時の半分まで減らしています。 参考:厚生労働省 「令和4年度 勤務環境改善に向けた好事例集」   ●離職率の減少 休暇数のカウントや申請フローがシステム化されると、適正なペースで休暇を取りやすくなり、有給休暇取得率も高まることが予想されます。また、業務効率化や人材の再配置によって現場の負担が和らぐため、勤怠管理システムには離職率を抑える効果も期待できます。 以下の事例では、看護師の離職率を下げる目的で、ICカードのタッチによって出退勤が記録できるシステムと新しい歩合給制度を導入しました。働けば報われる環境を整備したことで、医師を含む全職員の残業時間が減り、全国平均を超えていた離職率(2021年時点で14.8%)が3.0%まで改善しています。 参考:厚生労働省「令和4年度 勤務環境改善に向けた好事例集」   ●タスク・シフトの推進 タスク・シフトとは、医師などに集中していた業務の一部を、他職種(看護師や薬剤師など)に移管して全体の負担を抑えることです。厚生労働省が推奨している施策で、特に人材不足や急な患者対応が生じやすい医療機関では、多職種でお互いの機能を担い合う体制づくりが求められます。 勤怠管理システムがなぜタスク・シフトの推進につながるのか、以下では一例をご紹介します。  手順1:「誰が・どの業務に・どれくらい時間を費やしているか」を見える化する。  手順2:多忙なスタッフが抱える業務のうち、他職種が代行できるものを探す。  手順3:業務効率化などで手が空いたスタッフに、該当の業務を移管する。 厚生労働省の事例集でも、システム導入とタスク・シフトの推進を同時に進めたケースが見られます。以下の事例では、医師1人あたりの時間外労働を月4時間ほど削減すると同時に、薬剤業務や検査業務などのタスク・シフトを実現しました。 参考:厚生労働省 「令和4年度 勤務環境改善に向けた好事例集」   ■勤怠管理システムの注意点   勤怠管理システムの効果を高めるには、導入時・運用時に直面しやすいハードルも理解することが必要です。ここでは、導入時に注意したいリスクやデメリットについて解説します。   ●導入コストや運用コストがかかる 勤怠管理システムの導入時には、システム自体の購入費やネットワークの構築費、タブレットなどの機材費がかかります。また、システムやネットワークの維持費や管理費、サービスの月額料金など、運用コストも負担しなければなりません。 ICカードの打刻によるシステムを導入した以下の事例では、5年契約で500~600万円のコストが発生しています。 参考:厚生労働省 「令和2年度 医師等医療従事者の勤務環境改善の推進にかかるICT機器等の有効活用に関する調査・研究」 なお、オンプレミス型のシステムは、電子カルテなどを運用している既存のサーバーに導入することも可能です。製品や導入方法によってはサーバー代などを節約できるため、コスト面が不安な場合はベンダーなどに相談をしてみましょう。   ●システム障害のリスクがある 勤怠管理システムに限らず、デジタル技術にはシステム障害のリスクが付きまといます。2026年1月には、近畿地方の大病院でシステム障害が発生し、会計が数時間待ちになるなどの弊害が生じました。 システム障害を完全に防ぐことは難しいため、データのバックアップ体制や復旧プロセスは事前の整備が必要です。また、製品によってシステムの安定性が変わる可能性もあるので、ベンダーの信頼性やサポート体制を比較することも欠かせません。   ●セキュリティ対策も必要になる 勤怠管理システムのようなデジタル技術では、機器の紛失やサイバー攻撃による「情報漏えい」も懸念点になります。特に電子カルテと連携する場合は、患者の個人情報を守るためのセキュリティ対策が欠かせません。 国内でも病院を狙ったサイバー攻撃は発生しており、規模によっては別の機器(ナースコールなど)が影響を受けることもあります。   ■病院向け勤怠管理システムの選び方   ここまでの内容を踏まえて、以下では勤怠管理システムを選ぶポイントについて解説します。   ●1.対応できる職種や勤務形態 大病院は当然ですが、中小規模でも病院によっては複数の診療科や職種、多様な勤務形態への対応が必要です。たとえば、「医師と看護師のみ」「オンコールに対応できない」のような製品を選ぶと、別の管理方法やシステムと併用する形になるため、結果として余計なコストや労力がかかるかもしれません。 特に注意したいのは、業界特有の働き方(退勤後の呼び出しや宿直勤務)に対応できるかどうかです。自己研鑽時間も含めて、現時点でどのような労働が発生しているかをきちんと把握し、勤怠管理全体を効率化できるシステムを選びましょう。   ●2.現在の環境で稼働できるか 現在の導入環境によって、勤怠管理システムの選択肢や導入コストは変わります。たとえば、自前のサーバーを持たない病院がオンプレミス型のシステムを導入する場合は、サーバーの構築費を確保しなければなりません。コストを抑えて費用対効果を高めたい場合は、以下の点も確認しておきましょう。  ・自前のサーバーが必要になるか  ・電子カルテネットワークを利用できるか  ・複数拠点に対応できるか システム導入にあたって勤怠管理が大きく変わる場合は、業務フローの見直しも必要です。教育コストがかかるケースもあるので、「新しい業務フローに対応できるか」「現場が使いこなせるか」についても確認してください。   ●3.連携できる外部システム さまざまな業務を効率化・自動化したい場合や、将来的に導入範囲を拡大したい場合は、連携できる外部システムの確認も欠かせません。将来の運用を具体的にイメージしながら、以下の点も確認するようにしてください。  ・給与ソフトや看護勤務管理システム、電子カルテなどと連携できるか  ・連携できるメーカーが限られていないか  ・既存のシステムと統合しやすいか 各種システム連携は、オプションで用意されていることもあります。製品概要に記載されていない場合は、各ベンダーに問い合わせてみましょう。   ●4.ベンダーのサポート体制や信頼性 一般企業とは違い、多くの病院にはネットワークやシステムの専門家(情シス部門など)がそれほど在籍していません。そのため、導入から運用までのサポート体制や障害時の対応力、安定稼働の実績についても事前の確認が必要です。 サポート体制については問い合わせ窓口に加え、「デモ製品を使えるか」「運用に慣れるまで伴走してもらえるか」などを確認しましょう。また、以下を意識しながら情報収集を進めると、信頼性の高いベンダーを選びやすくなります。  ・同等規模の医療機関における導入実績が多いか  ・口コミや評判に問題がないか  ・すでに導入した病院から紹介されているか 安心できる勤怠管理システムをお探しの方には、弊社の病院就業管理システム「みんなの就業ⅱ」がおすすめです。みんなの就業ⅱは、多様な職種・勤務体系・働き方改革に対応した就業管理システムで、導入前にはデモサイトで使い心地を体験できます。 各種システムとの連携機能により、「病院全体のシステム化」や「古いシステムからの脱却」もお手伝いしております。導入から運用まで責任をもってサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。 病院就業管理システム「みんなの就業ⅱ」 製品概要 | メディシステムソリューション   ■目的や規模に合った勤怠管理システムを選ぼう   労働時間を記録する以外にも、勤怠管理システムにはさまざまな活用方法があります。業務効率化やタスク・シフトを推進し、本記事のようなメリットを最大化するには、目的や規模に合ったシステムを選ぶことが重要です。 みんなの就業ⅱを提供するメディシステムソリューションは、導入環境や目的に合わせてシステムの運用までサポートいたします。勤怠管理システムの導入を検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。   ▶ 病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ

2026年3月12日

病院の勤怠管理はなぜ複雑?就業管理システムで解決できる課題とは【働き方改革で何が変わった?】

みんなの就業Ⅱ

病院の勤怠管理はなぜ複雑?就業管理システムで解決できる課題とは【働き方改革で何が変わった?】

病院の勤怠管理はなぜ複雑?就業管理システムで解決できる課題とは   医師の働き方改革をきっかけに、病院の勤怠管理は大きな転換期を迎えています。 時間外労働の上限規制や健康確保措置が適用される一方で、医師の勤務実態は把握しづらいのが現状です。通常勤務に加え、突発的な呼び出しやシフト変更、研修・学会といった自己研鑽時間も多いため、従来の勤怠管理では法令対応が難しくなっています。 本記事では、働き方改革で変わったポイントを解説したうえで、「病院の勤怠管理がなぜ難しいのか」を整理しました。課題解決のアプローチを探している方に向けて、体制構築のフローや就業管理システムの活用事例もご紹介します。   ■医師の働き方改革とは? 病院に求められること 医師の働き方改革は、医師の長時間労働や就業管理を是正し、持続可能な医療提供体制を構築するための制度改革です。2019年に改正された労働基準法(働き方改革)に基づき、2024年4月1日からは医療現場にも「時間外労働の上限規制」と「健康確保措置」が適用されました。 時間外労働の上限規制とは? 36協定を結んだ場合でも、「これ以上は残業させてはいけない時間数」を定めたルールです。2019年4月から施行されましたが、一部の業種(医師を含む)は5年間の猶予期間が設けられました。 健康確保措置とは? 医師の健康を守るために、面接指導などを義務づけたルールです。連続勤務時間や勤務間インターバルの規制などにより、十分な休息時間を確保することも義務づけられました。 参考:厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」 参考:厚生労働省「長時間労働医師への健康確保措置に関するマニュアル(改訂版)」 特に大きな変更点は、時間外労働に上限が設けられたことです。医師の時間外労働は年960時間が基本上限となり、これを超える場合は医療機関勤務環境評価センターによる第三者評価を受けたうえで、特例水準として認められる必要があります。 変形労働時間制も例外ではないため、各医療機関は勤怠管理体制や就業規則などを見直し、労働時間をより正確に把握しなければなりません。実際の対応手順については、厚生労働省の手続きガイドでフローチャートが紹介されています。 参考:厚生労働省「医師の働き方改革 手続きガイド」   ●制度改正の背景 働き方改革が推進される背景には、常態化していた医師の長時間労働や、十分な就業管理が行われてこなかった実態があります。 厚生労働省の調査「医師の勤務実態について」によると、約2割の病院・常勤勤務医は、2022年の時間外・休日労働が年960時間換算を超えています。2019年からはやや改善傾向にあるものの、労働時間が週40時間以上の医師は77.6%にも上りました。 引用:厚生労働省「医師の勤務実態について」 また、客観的な就業管理を行っていない医療機関や、36協定を締結していないケースが存在していたことも深刻な課題です。患者への病状説明やカルテ作成など、多くの業務が医師に集中していたことで、長時間労働と就業管理の是正が難しい状況にありました。 このような状況下では、医療の質・安全を維持することも難しくなるため、「医師の働き方改革」が制度化されることになったのです。   ■勤怠管理にかかわる「時間外労働の上限規制」の詳細   医師の働き方改革の中でも、病院の勤怠管理に大きく関わるものが「時間外労働の上限規制」です。 前提として、労働基準法の基準を超えて医師を働かせる場合、医療機関には36協定の締結・届出が求められます。改正以前から原則の労働時間は「1日8時間および週40時間」でしたが、36協定の特別条項を満たすことにより、実質的には上限なしの時間外労働が可能でした。 この時間外労働に上限を設けたのが、今回の法改正です。ひとり一人の医師を以下の水準に分類し、各水準に応じた上限時間を遵守することが義務化されました。 <適用される5つの水準> A水準:ほかの水準に該当せず、診療に従事するすべての医師。 連携B水準:地域医療の確保のため、副業・兼業として派遣される医師。 B水準:地域医療の確保のため、自院内で長時間労働をする医師。 C-1水準:技能向上を目的にする臨床研修医や、専攻医研修を受ける医師。 C-2水準:専攻医を卒業し、高度な技能習得のために長時間労働をする医師。 原則的なA水準の上限は、時間外・休日労働を合わせて年960時間です。それ以外の水準は「特例水準」として扱われ、年1,860時間の時間外・休日労働が可能になる代わりに、「勤務間インターバルの確保」と「代償休息」が義務化されます。 ※複数の医療機関に勤務している場合、労働時間は全勤務先の通算になります。 ※時間外・休日労働の上限時間については、必要最小限に留める必要があります。 ※月100時間未満の上限も設けられています(面接指導の実施による例外あり)。 ※特例水準の適用を受けるには、医師労働時間短縮計画を提出したうえで、都道府県から「特定労務管理対象機関」の認定を受けることが必要です。 引用:厚生労働省「医師の働き方改革 ~患者さんと医師の未来のために~」 なお、本規制の対象に含まれるのは、診療を行っている勤務医や産業医(以下、特定医師)です。獣医師や歯科医師、血液センターの勤務医など、通常業務として診療を行わない医師には、一般労働者と同じ上限規制が適用されます。   ●病院と一般企業の違い 一般企業における時間外労働の上限は、原則として年720時間以内です。 医療機関に比べると上限が低く、「月45時間の労働を超えることができるのは年6ヵ月まで」など、別のルールも設けられています。 比較項目 医療機関(医師) 一般企業 法定労働時間 1日8時間、週40時間 原則の時間外労働上限 年960時間(A水準) 年720時間 特定時の時間外労働上限 年1,860時間(特例水準) 年960時間(特別条項) 月100時間未満の遵守 原則として必須(例外あり) 必須 月45時間超の制限(時間外労働) 水準ごとに管理 年6ヵ月まで 医療機関の時間外労働上限が長く設定されている理由は、地域での医療体制を確保するためです。一方で、2035年度末には特例水準を廃止し、全医師をA水準に移行することが目標とされているため、各医療機関には計画的な体制整備が求められます。   ■病院の勤怠管理はなぜ複雑? 現場が抱える5つの課題 医師の働き方改革に対応しようにも、多くの医療機関は次のような課題を抱えています。 1.多職種・多様な勤務形態が混在している 2.突発的な呼び出しやシフト変更が多い 3.医師本人が勤怠管理をしないケースが多い 4.研修などの自己研鑽時間が曖昧になりやすい 5.複数のルールを同時に遵守しなければならない 簡潔にまとめると、大規模な病院ほど正確な労働時間の把握が難しく、従来の勤怠管理(紙やExcelなど)では対応しきれないケースが増えています。2035年度末に向けて十分な体制を築くために、以下で具体的な課題を確認していきましょう。   ●1. 多職種・多様な勤務形態が混在している 時間外労働が上限時間を超えないようにコントロールするには、残業を含む労働時間をリアルタイムに把握することが必要です。しかし、医療機関には多職種・多様な勤務形態が混在しているため、ひとり一人の労働時間を把握することが容易ではありません。 特に大規模な病院では、医師や看護師のほか、放射線技師、臨床検査技師、事務職員なども働いています。さらに業務内容が多岐にわたることから(外来や救急対応など)、固定シフトでの対応が難しいケースも多く、勤怠管理が複雑化しやすい状況にあります。   ●2. 突発的な呼び出しやシフト変更が多い 当直やオンコール対応などの突発的な呼び出しや、急なシフト変更が多いことも病院の特徴です。 よくある看護勤務管理システムなどで勤務表を作成しても、小刻みな労働時間まで正確に把握できる仕組みがないと、打刻と勤務実態にズレが生じてしまいます。 特に手術のような緊急性が求められるシーンでは、医師自身による打刻(タイムカードなど)が難しいこともあります。事後申告という方法も考えられますが、1分単位での労働時間管理が求められる現在では、実用的とは言い難いのが実情です。   ●3. 医師本人が勤怠管理をしないケースが多い そもそも、医師本人が自ら勤怠管理をするケースは多くありません。多くの病院では、事後の自己申告や業務日誌をもとにした時間管理などが常態化しています。 1分単位で労働時間を管理するためには、負担のかからない形で医師本人がスムーズに打刻できる仕組みが必要です。事務職員による代理入力もひとつの手段ですが、その場合も正しい労働時間を計測できるシステムが欠かせません。   ●4. 研修などの自己研鑽時間が曖昧になりやすい 自己研鑽時間(研修や学会など)の扱いは、多くの病院が判断に迷いやすいポイントです。 厚生労働省の資料によると、医師の労働時間は次のように定義されています。 労働時間に該当するか否かは、就業規則等の定めのいかんによらず、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるものであり、また、個別具体的に判断されるものである。 引用:厚生労働省「医師の研鑽と労働時間に関する考え方について」 自己研鑽時間が労働時間に含まれないのは、原則として本来業務との関連性がなく、かつ上司からの指示・黙示がなかった場合に限られます。ただし、研究や学業が業務の一環とみなされるケースもあるため(大学病院の勤務医など)、個別具体的に判断が欠かせません。就業規則でのルール化も難しいことから、自己研鑽にかかわる勤怠管理は複雑化しやすい特徴があります。   ●5. 複数のルールを同時に遵守しなければならない 病院が守るべきルールは、時間外労働の上限規制だけではありません。 働き方改革関連制度に加え、医師法や医療法、労働基準法も同時に遵守する必要があります。特例水準の適用を目指す場合は、前述の健康確保措置まで意識しなければなりません。 また、今回の働き方改革のように、新しい法令や改正への対応も必要です。実際に2023年4月からは、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が、一律50%以上に引き上げられました。 参考:厚生労働省「令和5年4月1日から「中小企業の月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上」に引き上げられます。」 制度の仕組みが変わると、シフトや様式9の作成方法、給与計算のフローなどを調整する必要があります。   ■病院に求められる勤怠管理フローと事例 医師の働き方改革に対応するためには、病院特有の課題を解決できる仕組みづくりが必須です。実際には以下のようなフローで、勤怠管理を根本から見直す必要があります。 <勤怠管理を見直すフローの例> 1.ルールの明確化(労働時間の範囲をルール化、院内への周知など) 2.給与制度の見直し(最新の法令に則った給与体系への変更、就業規則への反映など) 3.労働時間の管理(導入するシステムの選定など) 4.業務分担の見直し(システムに合わせた業務の振り分け、医師の業務を分散など) 手作業での体制構築には、大きな手間や属人化のリスクが伴います。そのため、就業管理システム(勤怠管理システム)の活用が現実的な手段になりますが、「何を目的に導入するか」や「システムをどう活用するか」は明確にしなければなりません。   ここからは厚生労働省の事例を参考に、就業管理システムの導入例・活用例をご紹介します。   ●事例1.労働時間を規定化し、打刻データから勤務間インターバルまで把握 全職員を対象に、変形労働時間制にも対応した就業管理システムの導入事例です。もともと医師は管理対象外でしたが、業務内容を整理したうえで「労働時間に該当するもの」「該当しないもの」を明確化し、在院時間をICカードで把握できる仕組みを構築しました。 ICカードの打刻データをもとに、各医師の勤務間インターバルを可視化している点も特徴です。打刻率などの課題は残されていますが、任意の産業医面談を実施するなど、健康確保措置にも対応可能な体制を整えました。 参考:厚生労働省「事例集」   ●事例2.データに基づいた打刻機の設置で、ICカードの打刻率をアップ 手書きの出勤簿から、ICカード打刻による就業管理システムに切り替えた事例です。1,200名の全職員にICカードを配布し、看護師については時間外労働管理システムとも連動した管理体制を構築しました。 打刻率の向上を目指して、各出入り口を使う職員数の事前調査をしている点も参考になるポイントです。そのデータをもとに9台の打刻機を設置した結果、100%に近いICカード使用率を実現しました。勤務時間に対する意識が変わったことで、「医師の早すぎる出勤」も抑制されています。 参考:厚生労働省「事例集」   ●事例3.事前周知とデータ公開で、90%以上の打刻率を実現 打刻機を活用した就業管理システムを導入し、紙ベースでの管理から脱却した事例です。さまざまな会議で「病院・医師の双方に利益があること」を事前に周知した結果、システム導入後の打刻率は90%に達しました。 診療科別や職種別の打刻データを公開する取り組みも、打刻率の向上につながっています。また、医師個人がシフト表を提出するルールにしたことで、ひとり一人が「週あたりの労働時間」を意識するようになり、勤怠管理への当事者意識が高まりました。 参考:厚生労働省「いきいき働く医療機関サポートWeb(いきサポ)」 勤怠管理をスムーズに適正化したい医療機関には、弊社の病院就業管理システム「みんなの就業ⅱ」がおすすめです。本システムは、社会保険労務士法人 日本経営による監修のもと、病院ならではの勤怠管理に特化しています。   初めてのシステム導入でも扱いやすく、実務に役立つ豊富な機能が実装されているため、どのような勤務体系・規模・職種にも対応できます。 <みんなの就業ⅱの特徴> ・医師、看護師、薬剤師、技師から事務職まで、多様な職種に対応 ・日勤や夜勤のほか、宿日直、待機、退勤後の呼出による復帰もカンタン管理 ・医療秘書による代理入力や、タイムレコーダーとの連携が可能 ・自己研鑽時間や年次有給休暇も含め、多種多様な付与ルールに対応 ・その他、「医師の働き方改革」で求められる要件を最適化 ほかにも勤怠管理をサポートする機能が充実しており、医師や労働時間数の検索機能や、上限時間に近づいたときのアラート機能も備わっています。各種システム連携によるカスタマイズもできるので、実用的なシステムをお求めの方はぜひご検討ください。 病院就業管理システム「みんなの就業ⅱ」 製品概要 ■就業管理システムで業務効率化も目指そう   医師の働き方改革により、病院にはより正確で客観的な勤怠管理が求められるようになりました。特に多様な職種・勤務形態が混在する医療機関は、管理体制の根本から見直す必要があります。 その有効な手段のひとつが、「みんなの就業ⅱ」をはじめとした就業管理システムの導入です。将来的には、全医師がA水準に収まるように勤怠管理をする必要があるため、業務効率化を目指すためにもシステムの導入を検討しましょう。   ▶ 病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ

2026年1月30日

ページトップへ戻る