
医療現場においてもデジタル化は進んでいますが、形だけのDX化・IoT化にしないためには、各種システムの連携が必要です。実際に勤怠管理システムや電子カルテなどを導入したものの、「二重入力の手間が増えた」「運用・管理コストが気になる」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。
システム全体の設計を考える際には、それぞれのシステムが解決できる課題を理解し、役割を明確にすることが重要です。本記事では、勤怠管理システムを軸にした連携のポイントや、実際に解決できる課題をわかりやすく解説します。
勤怠管理システム(就業管理システム)の連携は、業務面の課題を整理したうえで、「どのシステムにどんな役割を持たせるか」を軸に設計することが基本です。わかりやすく考えるために、まずはデータの起点になるシステムを明確にして、以下の連携パターンに分けてみましょう。
パターン① マスタ連携(組織情報の連携)
人事管理システムを起点に、職員情報や雇用形態を勤怠管理システムなどへ連携。
パターン② 勤怠データ連携(打刻情報などの連携)
勤怠管理システムを起点に、打刻データや勤務実績を給与システムなどへ連携。

▲マスタ連携と勤怠データ連携のイメージ図。
起点のシステムが明確になると、二重入力やデータ重複などを防ぎやすくなります。
勤怠管理システムは、マスタデータ・勤怠データの両方の連携に欠かせないシステムです。中核の役割を担うため、「実運用に耐えられるか」という視点で導入するシステム(製品)を選びましょう。
・宿直や当直など、特殊な勤務形態に対応しているか
・勉強会などの自己研鑽時間と労働時間を切り分けられるか
・打刻データと実際の勤務時間を正確に管理できるか
勤怠管理システムの導入効果については、以下の記事も参考にしてください。
病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説
勤怠管理システムと周辺システムを連携すると、以下の導入効果が期待できます。
よくある課題をどのように解決できるのか、詳しく見ていきましょう。
勤怠管理システムには、病院特有の勤務形態(夜勤やオンコールなど)に対応した製品もあります。このような製品と、打刻システムや電子カルテなどを連携させれば、実態に即した労働時間を把握することが可能です。
厚生労働省の事例集でも、タイムレコーダーと勤怠管理システムの連携により、実際の出退勤時間を自動で記録する取り組みが紹介されています。正確な労働時間の把握は、人件費の適正化だけでなく、歩合給や時間外手当の公平性を保つうえでも重要です。
参考:厚生労働省「令和4年度 勤務環境改善に向けた好事例集」
システム間でデータを連携すると、一度入力した情報が別のシステムにも反映されます。データを修正・更新した場合もリアルタイムで反映されるため、同じ内容を複数回入力する必要がありません。
たとえば、打刻システムと勤怠管理システムを連携すれば、職員の氏名やID、実労働時間などが両システムに自動記録されます。入力作業自体を省けるため、転記ミスなどのヒューマンエラーも防げるでしょう。
実際に大阪府の病院では、スマートタグを携帯した職員が特定エリアを通過すると、自動的に滞在時間が記録されるシステムを導入しています。
参考:厚生労働省「令和4年度 勤務環境改善に向けた好事例集」
有給申請やシフト変更などの申請業務が多い医療機関では、承認漏れなどのトラブルが発生することもあるでしょう。こうした課題は、勤怠管理システムをワークフローに活用することで解消できます。
たとえば、看護勤務管理システムと連携させれば、各職員が入力した申請データを勤怠管理システムで確認し、管理者がそのまま承認することも可能です。さらに、スマートフォンから申請・承認できる環境を整えると、多忙な職員でもスムーズに手続きを行えます。
システム連携で業務効率化を図ると、医師・看護師・事務員などの負担を減らせます。設計次第では、リアルタイムの勤務実績や配置状況も可視化できるため、データに基づいた人材配置の最適化を進められます。
現場業務に追われやすい病院では、秘書や医師事務作業補助者を配置するケースが珍しくありません。システムに蓄積したデータは、こうした人材を配置・増員する際にも活用できます。
勤怠管理システムを中核とする場合は、どのようなシステム連携が考えられるでしょうか。ここでは、連携できる代表的なシステムと、実際の活用イメージを紹介します。
電子カルテに記録されるデータは、実労働時間の把握以外にも活用できます。実際の活用イメージは、以下のとおりです。
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勤怠管理システムと電子カルテの連携イメージ ・電子カルテのログイン情報から、実態に即した労働時間を把握する ・電子カルテの診療時間と打刻データなどを比較し、労働時間の傾向を分析する ・両システムで同じIDを使用し、現場や事務担当者の負担を減らす ・採用情報や人事異動を含めた職員データをシステム間で連携する |
職員IDなどを連携すると、マスタデータの形式が統一されるため、別システムとの連携(データの紐づけ)も容易になります。
勤怠管理システムと給与システムを連携すると、出退勤データの管理から給与計算までを自動化できます。システムの組み合わせ次第では、複雑な勤務体系・給与体系への対応も可能です。
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勤怠管理システムと給与システムの連携イメージ ・打刻データ(出退勤時間や残業時間など)を給与計算に自動で反映する ・シフト変更をすぐに反映し、給与・手当を再計算する ・マスタデータに基づき、各職員の社会保険料などを自動計算する |
ただし、細かい給与計算まで自動化するには、病院特有の勤務形態・給与体系に対応したシステムが求められます。合わせて、形式を統一したマスタデータや、運用ルールの整備も必要になるので注意してください。
特に緊急外来の対応もある病院では、打刻データと実労働時間が乖離することもあります。自己研鑽時間なども含めると、一般企業より労働時間の把握が難しい傾向にありますが、以下のようなシステム連携で精度を高められます。
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勤怠管理システムと打刻(入退室管理)システムの連携イメージ ・ICカードや顔認証で打刻し、勤怠管理システムに自動で記録する ・特定エリアの入退室記録をもとに、出退勤時刻を自動で記録する ・医師のシフトと打刻データを連携し、出勤予定と労働実績の差分を可視化する |
2024年から始まった「医師の働き方改革」の影響で、以前より厳正な勤怠管理が求められるようになりました。労務監査対策を万全にするためにも、実態に即した客観的なデータを記録することは重要です。
医師の働き方改革については、以下の記事も参考にしてください。
病院の勤怠管理はなぜ複雑?就業管理システムで解決できる課題とは【働き方改革で何が変わった?】
医療分野に特化した勤怠管理システムは、看護勤務管理システムとの連携も可能です。所属ごとの勤務体系を設定することで、宿直や当直、2交代制、3交代制などにも対応できます。
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勤怠管理システムと看護勤務管理システムの連携イメージ ・看護師のシフト表を、勤怠管理システムに取り込んで一元管理する ・さらに給与システムと連携し、看護師の給与計算も自動化する ・休暇や休息のルールをシフトに適用し、法令違反を防止する |
システムの設計次第では、異動歴や研修歴などを含めた職員データも一元管理できます。
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勤怠管理システムと周辺システムをうまく連携すると、業務効率化につながる本来のDXを進められます。各システムの役割を明確にすれば、二重入力やデータ重複なども防げるため、現場や事務担当者の負担を減らせます。
ただし、実際のシステム連携では設計に加え、運用ルールの整備も必要です。みんなの就業ⅱを提供するメディシステムソリューションは、導入環境に合ったシステムの運用までサポートしているので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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