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Columnコラム

病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ2026年9月1日

病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ

病院DXは何から始める? 勤怠管理を起点にした進め方4ステップ

「医療DX」「病院DX」と聞いて、まず電子カルテやオンライン資格確認、AI問診といった診療系のシステムを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

しかし、こうした仕組みを導入しても「二重入力の手間が減らない」「結局Excelでの管理が残っている」という声は少なくありません。その原因は、システムの機能ではなく、病院が持つデータに「時間」という軸が欠けていることにあります。

本コラムでは、勤怠管理(就業管理)を病院DXの切り口として捉え直し、これまで本シリーズでお伝えしてきた内容を振り返りながら、DXの進め方を4つのステップで整理します。

病院DXが「診療系システム」だけでは進まない理由

病院DXというテーマは領域が広く、どうしても診療に直結するシステムから議論が始まります。実際、電子カルテの刷新やオンライン資格確認への対応は、多くの医療機関にとって優先度の高い取り組みです。

ここで一度、病院が持つデータを「誰が」「何をしたか」「いつ、どれだけ働いたか」という枠組みで整理してみます。

  • 誰が:職員情報、所属、雇用形態 → 電子カルテや人事システムがすでに持っている
  • 何をしたか:診療行為や業務の記録 → 電子カルテや部門システムがすでに持っている
  • いつ、どれだけ働いたか:勤務実績や実労働時間 → 紙、Excel、自己申告のまま残っている病院が多い

病院DXが途中で止まる理由のひとつは、「誰が」「何をしたか」は揃っているのに、「いつ、どれだけ働いたか」が欠けている点にあります。診療のデータをどれだけ分析しても、それを担った職員の状況と結びつけることができません。

人員配置は適切だったのか。特定の職員に負担が偏っていないか。その勤務状態が医療の質に影響していないか。こうした問いは、時間軸のデータがなければ検証できないのです。

デジタル化が業務をシステムに置き換えることであるのに対し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が目指すのは、データがつながり、活用できる状態をつくることです。多くの病院にとって、その最後のピースが「時間」なのです。

勤怠管理(就業管理)が病院DXの土台になる3つの理由

では、その時間軸のデータをどこから得るのか。答えのひとつが、勤怠管理を担う就業管理システムです。

ここでいう「土台」とは、すべてのデータの発生源という意味ではありません。すでに病院にある職員情報に「時間」という軸を与え、病院のデータを職員単位で語れるようにするレイヤーのことです。理由を3つに分けて説明します。

1. 全職種・全部署の時間データが毎日集まる

職種も勤務形態も異なる病院において、医師から事務職員まで例外なく全員が毎日発生させるデータが勤怠です。診療に関わる職種が中心となる診療系システムと違い、病院で働くすべての人を毎日カバーします。

2. 新しくマスタを作らず既存の職員情報に時間軸を紐づける

時間軸のデータを整えるうえで障害になるのが、職員情報の二重管理です。一般的な勤怠管理サービスは自前の職員マスタを新たに作ることを前提とするため、採用や人事異動のたびに電子カルテ側と勤怠側の両方を更新しなければならず、現場の負担はむしろ増えてしまいます。

病院向けの就業管理システムに求められるのは、逆の発想です。「誰が」はすでに電子カルテや人事システムにあります。これを活用できれば、二重管理は発生しません。

たとえば当社のみんなの就業ⅱは、電子カルテネットワーク環境上で稼働し、電子カルテの職員情報や看護勤務管理システムの勤務情報、打刻機器などと連携します。職員マスタを新たに作るのではなく、既存の職員情報に勤務実績を紐づける仕組みです。

3. 実績データが周辺システムと経営判断の起点になる

3本目のコラムで整理したとおり、マスタ連携は人事システムや電子カルテを起点に、勤怠データ連携は就業管理システムを起点に設計するのが基本です。

  • 給与システムへ:出退勤や時間外労働の記録を給与計算に反映する
  • 看護勤務管理システムへ:シフト予定と勤務実績の差分を把握する
  • 分析・経営判断へ:人員配置、労務リスク、原価の把握に用いる

しかも就業管理システムが持つのは、予定や申告ではなく、実際に誰が何時間働いたかという実績データです。人件費は病院にとって最大の費用であり、人員配置は医療の質にも直結します。だからこそ、法令対応や労務管理にとどまらず、経営判断の材料になり得るのです。

「誰が」を受け取り、「いつ、どれだけ」を加えて、周辺システムへ渡す。この位置にあることが、就業管理システムを土台と呼ぶ理由です。

 

病院DXの進め方4ステップ|勤怠管理を起点に整える

これまで4本にわたって病院の勤怠管理をテーマにお伝えしてきました。それぞれ独立したテーマのようでいて、実は時間軸のデータを整え、広げていくプロセスそのものといえます。

 

STEP1. 正しく取る|勤怠管理の適正化

2024年4月から医師にも時間外労働の上限規制が適用され、医療機関にはこれまで以上に正確な労働時間の把握が求められるようになりました。宿日直やオンコール、自己研鑽時間といった病院特有の事情をどう扱うかを整理する段階です。データを「正しく取る」ことが、すべての出発点になります。

病院の勤怠管理はなぜ複雑? 就業管理システムで解決できる課題とは

STEP2. 集約する|就業管理システムの導入

多様な職種と勤務形態に対応したシステムを導入し、分散していた勤務実績を1か所に集約する段階です。ここで業務効率化やコンプライアンス強化といった効果が表れます。製品によって対応範囲が異なるため、選定時の視点が重要になります。

病院向け勤怠管理システムのメリットと導入効果|選び方のポイントも解説

STEP3. つなぐ|周辺システムとの連携

マスタ連携と勤怠データ連携という2つの軸で、どのシステムにどんな役割を持たせるかを設計する段階です。二重入力が解消されると同時に、ここからデータ活用が始まります。

病院情報システム部門が知っておきたい「勤怠管理システムの連携設計」

STEP4. 広げる|複数拠点・法人全体の最適化

システムと運用ルールを法人全体で統一し、拠点を越えてデータを活用する段階です。人員配置の最適化や、地域包括ケアを支える基盤づくりにつながります。

【医療・介護】複数拠点のシステム連携はどこまでできる? 勤怠管理の課題と解決策

正しく取る、集約する、つなぐ、広げる。これが、勤怠管理を起点にした病院DXの進め方です。

まとめ|病院DXの第一歩は足元の勤怠データから

病院DXは、大規模な投資から始めなければならないものではありません。すでにある職員情報に、全職員が毎日生み出している勤務実績を紐づけること。就業管理は、電子カルテの刷新のような「診療を止めるリスク」を伴わずに着手でき、削減できた時間や経費という形で効果を測りやすい領域です。

何から始めるべきか迷われているのであれば、まずは足元のデータを見直すことをおすすめします。

みんなの就業ⅱを提供するメディシステムソリューションは、導入環境や目的に合わせて、運用までをサポートいたします。病院DXの進め方や勤怠管理の見直しを検討されている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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